21世紀の天文学 -宇宙に生命の存在を探る-
 
【講 師】
国立天文台 名誉教授
海部 宣男 氏

【要 旨】
この宇宙で、地球以外にも生命はいるだろうか?この古くからの疑問は、現代では
 ①太陽系のほかの惑星・衛星に生命は存在するだろうか?
 ②私達の太陽系以外にも惑星系はあるか、またそこに生命が存在する惑星はあるだろうか?
という二つの問いに置きかえられます。
この講演では、この問題に迫る現代の科学について、特に天文学の立場から、目覚ましく進む望遠鏡や観測装置の開発にも触れながらお話しします。
実は問②の前半には既に、”Yes”と答えが出ています。自ら輝く恒星のすぐそばを回る惑星はあまりに小さく暗く、探索は極めて困難でした。しかし半世紀に及ぶ「太陽系外惑星」探しの末、1995年、ペガスス座51番星を回る惑星が発見されました。現在までに4000個余りの太陽系外惑星が記録され、恒星の二つに一つは惑星系を持つことが明らかになっています。地球型の小型岩石惑星も、ごく普通の存在であるようです。いま計画が進む次世代の望遠鏡では、「ハビタブル惑星(表面に海を持つ地球型惑星)」の直接観測が大きなターゲットです。かたや太陽系内では火星の無人探査が着々と進み、木星や土星の衛星の氷殻の下の海に生命を探す計画も練られています。
21世紀は、私達が宇宙の生命と出会い、自らを見直す時代になるでしょう。広大な宇宙に散らばる太陽系外惑星の世界では、望遠鏡による観測が、「出会う」手段です。「宇宙の文明」を探す科学的計画についても、触れたいと思います。

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