ヤンゴンでの食生活を考える

 9月に入り、いささか雨の量が少なくなってきたようだ。雨が全く降らないという日はほとんどないが、降り始めてから止むまでの時間が確実に短くなった。それに伴い、道路のぬかるみも気にならない程度になり、雨期の終わりが近づきつつあることを感じる今日この頃の天気である。ヤンゴンの人達は殆どが素足に草履のいでたちで、少々の雨などものともせず、雨水が川の如く流れる道路でも平気で歩く逞しさを備えているが、やはり雲の切れ間から青空がのぞき、時々太陽が顔を出すと、道行く人々の表情は勿論、そこいら中をうろついている犬や猫の表情までもが、心なしか明るく感じられる。

 さて今週は日常の食生活についての雑感である。 私は日本で生活していた時も、フィリピンのマニラに住んでいた時も、朝食は8枚切の食パン1枚に、野菜炒めと卵焼き、それにブラックコーヒーがお決まりのコースで、その後に自家製のヨーグルトで締める習慣が定着している。

<お決まりの朝食>

<締めの自家製ヨーグルト>

 ヤンゴンのスーパーで売っているヨーグルトは、ビニール袋に入った安価なものと、素焼きの陶器に入った高級品の2種あるが、何れもカスピ海ヨーグルトのような粘りやきめ細かさはない。然し、製品そのものに素朴さが漂っているので、旨くすれば・・・・との期待の下、これも素朴なピュアミルクを買ってきて、自家製ヨーグルトの制作に挑戦してみた。ヨーグルトの種にピュアミルクを加え、24時間待ってもヨーグルトに変化する兆しはなく、諦めかけたが、48時間後には見事に3層(底に水、中間にヨーグルト、表面に堅い層)が出来上がり。底に溜まった水を取り除いたら、ヨーグルトが完成した。
ミャンマーで売られているヨーグルトや牛乳の素朴さが、自家製ヨーグルト制作の成功の鍵ではなかろうかと勝手に理解した次第である。以降、専らピュアミルクを購入し、自家製ヨーグルトに加えることで出来上がるヨーグルトをたのしむ毎日である。

 さて、朝食の食材の話に戻るが、これらの食材はどの国でも手に入るユニバーサル食材なので、ヤンゴンでの生活を始めた際も、当然の如く同じメニューの朝食作りに取り組んだ。日本やマニラとヤンゴンとの最大の違いは、食材の調達先である。ヤンゴンではコンドミニアムを出て3分の路上一杯に一日中生鮮食品の市が立っている。

<久々の青空の下での路上市場の風景>

 雨が降ろうが槍が降ろうが、一切意に介しない。ドシャ降りになったからと言って店をたたむおばちゃんは1人もいない。ここでほとんどの食材が格安で手に入るのが何とも嬉しい。例えばトマトは日本では、1個100円前後だが、ここでは小粒ながら5個で300Kyat(約30円)程の値段である。それに売り子のおばさんは皆親切で、2~3個のおまけをつけてくれる。

<店先で商品を売っているのは殆どおばちゃん、
おじちゃんは後方で控えている >

 キャベツ、白菜、茄子、トマト、ジャガイモ、玉ねぎ、大根、オクラ、ピーマン、タケノコ、空芯采、モヤシ、アスパラ、木綿豆腐、卵、米等など、ほしいものは殆ど手に入る。勿論、キュウリ、ホウレン草、納豆、厚揚げ、かまぼこ、カニ足、タコ等見当たらない食材も多いが、特段の不便は感じない。
 売り子のおばちゃんの殆どは英語が話せないので、身振り手振りでの買い物となる。
 値札もなく、専ら指を使っての会話となるため、当然行き違いも生ずるが、予想より多くのお金を請求され、多くの食材を手にする結果になるだけなので、大した問題ではない。お店のおばさんの笑顔で全て納得である。
出かけない日の昼食は、専ら会社のビルから3件目のシャン料理店を利用している。ミャンマーにはそれぞれの民族毎の料理屋が存在するそうで、それは日本におけるご当地ラーメンの如きもののようである。蝦夷地北は旭川、札幌ラーメンから喜多方ラーメン、和歌山ラーメン等を経て、九州の博多ラーメン、熊本ラーメンまでそれぞれ味を競っている。ミャンマー料理は民族の違いによるものなので、民族の数ほどのバラエティになるのであろうが、ヤンゴンで一般的なのはビルマ族のミャンマー料理とシャン族のシャン料理の2種類のようである。そして会社に一番近いお店はシャン料理の店である。

 メニューは全てミャンマー語で書かれているので、詳細は不明だが、大きくは麺類、ライス付の定食、それにチャーハンにわかれ、それぞれが色々なバリエーションに分かれているようである。その中で私が一番多く選択するのが定食で、調理して店頭に並べられているポーク、チキン、魚料理の中から2品、野菜料理から2品の計4品にスープと漬物がついて、料金は1,000Kyat(約100円)である。器はお子様ランチ風である。箸を使わずスプーンとフォークで食べるので、お子様ランチそのものと言える。先日は器の色がピンクで、食べ終わったら器の底からキティちゃんの顔が現れた。このような定食を食べていると、益々若返って来る。

<定食(配膳時)>

<完食後>

 因みに麺類は600Kyat(約60円)、チャーハンが最も高価で1,200Kyat(約120円)と非常に安く、市内の一般的なレストランの半額以下である。会社はヤンゴン大学の他、民間の日本語学校、英語学校、IT関連スクールがたくさん集まるところから、学生を相手にしたお店が多く、そのため値段も安いようである。


2014年9月7日(日)
MyanmarDRK Co., Ltd. Managing Director
宮崎 敦夫