コンピュータ大学:University of Information Technology(以下UIT)はヤンゴンコンピュータ大学(UCSY)のCOE分校として5年前に設立されたエリート校である。
COEとはセンター・オブ・エクセレンスの略でUCSYの中核的教育・研究機間として選りすぐった優秀な学生を集めた大学なのである。日本のIPA(情報処理推進機構)がアジア各国で展開している情報処理技術者試験のずば抜けた合格率の高さがUITの学生の優秀さを如実に物語っている。
UITでは毎年8月にオープンキャンパスを開催し、学生たちの日頃の実践的な研究成果を展示し、世間にPRするのである。学生達はチームを組み、自分達で決めたテーマに沿ったシステムを組み上げ、オープンキャンパスでの展示にエントリーするのである。会場に制約があるため、エントリーされたものの中から優秀と判定されたものだけが展示の機会を得る。従って、学生達は魅力のあるシステム作りに必死で取り組むことになる。
Myanmar DRKはUITに日本語講座を提供していることや、人材採用支援サービスでのインターンシップ生との関わりから大学から招待され見学することとなった。
オープンキャンパスの当日は、賑々しい開会式によってその幕が開かれる。ミャンマーにおけるIT業界の重鎮による来賓挨拶を皮切りに、学長の開会宣言、来賓の方々によるテープカット式等が終わるといよいよ、展示合戦の始まりである。
各展示ブースでは、開発を担当した学生が、自分達の手掛けたシステムが如何に社会に役立つか、最先端技術を如何に組み込んだか等について、熱心に説明する。
来訪者は会場に入る際、投票用紙を手渡され、それぞれの展示されたシステムの内容を評価した上で、最も優れていたと思うチーム名を書き込み、出口に備え付けられた投票箱に投票する。評価項目の設定が無い為、未来志向のシステム、実用化を重視したシステム等、多種多様なシステムが展示されているが、結局は参観者にとって努力の痕跡が滲み出ていると思われるシステムが選ばれるようだ。
熱気あふれる会場でのデモンストレーションが終了すると、いよいよ注目の投票結果の発表となる。事務局を担当する教授達が、投票箱を会場中央の舞台に運んできて開票が始まる。そして開票結果の公開である。コンピュータテクノロジー学部及びソフトウェアサイエンス学部のそれぞれの最優秀チームが発表され、会場の熱気は最高潮に達する。
最優秀チームとしての栄誉を獲得したメンバーは壇上にあがり、学長から表彰状を受け取る。いかにも晴れやかな表情であった。
彼らの未来に栄光あれ。
2017年8月10日(木)
MyanmarDRK Co., Ltd. Managing Director
宮崎 敦夫