UITはミャンマーのコンピュータ系大学の頂点に位置する大学であり、5年前にヤンゴンコンピュータ大学(UCSY)から中核的研究拠点(COE)の分校として発足し、UCSYから選抜された約170名の学生を抱えてスタートした大学である。そして今年の11月12日に第一期生が卒業式を迎えることとなった。
会場はヤンゴン大学のコンボケーションホールである。ミャンマーで最も古い歴史を有するヤンゴン大学は、イギリス統治時代にラングーン大学として設立、一時期はアジアの最優秀大学として各国から優秀な学生が集まる学びの場であったが、軍政以降大学の自治権もなくなり、やがて学部も閉鎖され、25年間に渡り卒業生の出ない大学になってしまった。
ヤンゴン大学は日本で言えば東大。コンボケーションホールは、さしずめ安田講堂に位置付けられる由緒ある施設である。2012年オバマ前アメリカ大統領が演説をしたのもこのホールである。
さて式典は9時きっかりに始まった。ミャンマーの民族音楽の演奏とともに、会場の最前列に集まっている黒のアカデミックドレスと角帽で身を固めた卒業生が起立する。やがて大学の職員や教授達が2列になって厳粛な面持ちでゆっくりと行進し、最後尾から学長が入場する。生徒は着席し、学長が卒業証書の授与を宣言した。
名前を読み上げられた学生は緊張した面持ちで舞台に上がり、舞台中央の学長の元まで歩いて行く。学長は恭しく卒業証書を手渡す。延々と続いた169名分の証書の授与が無事終了すると、学長が訓示を述べた。そして再び民族音楽が場内に鳴り響く中、ゆっくりと退場していった。
これでフォーマルな式典は終了し、緊張感が解けた会場に一旦退場した職員、教授らが再び入ってきて卒業生達との記念撮影が始まる。参列達は待ってましたとばかり、スマホをかざして自分の娘や息子の晴れ姿をカメラに収めていた。
式典が終了し卒業生達は三々五々ホールの外に出て、参列した家族と一緒になって記念撮影を行った。そうこうしている内に卒業生の有志が集まり、掛け声とともにで一斉に角帽を空に放り投げた。
気温30度を超える空の下、黒マントで身を包み汗だくになりながらも喜びを全身で表していた卒業生達の姿が印象的であった。社会に巣立っていく彼らの将来が明るいものであることを望みたい。
2017年11月13日(月)
MyanmarDRK Co., Ltd. Managing Director
宮崎 敦夫